猫とカレー

20代女子一人旅

おかえり

先月、友人が自殺した。

255人の同期のうちの一人である前に、愛すべき大事な友人だった。

同期には「病死」と伝えられているが、告別式でお母様が発した言葉は「止められなくてごめんなさい、、、」

太宰治が好きで、心理学科の大学院を卒業した彼の選んだ道は、紛れもなく、自殺だった。

止められなかったことが悔しいわけでもなく、死んだことがかなしいわけでもない。

わたしの今後の人生に彼がいないことが、ただたださみしかった。

彼がいなくなってからしばらくは、空気中に存在する彼に引きずられるように、死のことばかり考えていた。

いまだに、写真を目にすると涙が出てくる。

入社してしばらくはモーニングコールかけあったね。どっちが早くかけられるか競ったね。

一番最初に二人で飲んだときのことは忘れないよ。

「このあとふたりで飲まね?」何の気なしに発した言葉だったんだろうけど、女子校育ちの私はドキッとしたよね。笑

借りてた本も返せないまま、一緒に行こうねって約束した映画バーも行かないまま、セックスもしないまま、ブックカフェの夢も叶わないまま、死ぬなんてね。

ほんとにばかやろーだね。

ねえ。

きみはキリスト教徒だったから、天国には行けていないかもしれないね。

でも、何十年後か、また会えるといいなあ。

きみの口癖「イナフだね〜」がまた聞きたい。